タシロラン

学名:Epipogium roseum  

タシロラン(田代蘭)[別名:タカトリラン] ラン科トラキチラン属

関東地方以西の本州・四国・九州の、山地や丘陵の中に生育する多年草。

丈は10-60cm。葉緑素がなく、全体に白黄色を帯びる。根茎は長さ1-5㎝、太さ0.5-2㎝の円筒状の卵形~楕円形、多数の節がある。茎は中空、径3-7㎜の円筒形で直立する。鱗片葉は離れて1-8個付き、膜質、長さ7-13㎜の鞘状。茎頂に総状花序を出し、2-16個程の花を付ける。総状花序は花のつかない苞より上で、長さ10-20㎝。花は下部から開花する。苞は長さ7-12㎜、幅4-7㎜、普通紅紫色の斑点がある。小花柄は長さ3-7㎜。萼片は長さ8-11㎜、幅1.5-3㎜の線状被針形、先がほぼ尖る。側花弁は萼片に似るが、やや短く、幅が広く、長さ7-10㎜、幅2-3㎜の狭卵状被針形、鋭頭~鈍頭。唇弁は広げたとき、長さ8-12㎜、幅6-7㎜の広卵形、紅紫色の斑点があり、縁は微細な鋸歯状になる。唇弁の基部にある距は長さ3-5㎜、幅1.5-2.5㎜、長楕円形(円筒状)、先が丸く、子房側に突き出る。子房は長さ5-7㎜の惰円形、6脈がある。蕊柱は長さ2.5-4.5㎜、先端の葯は類球形、径約4㎜。
花期は6月下旬~7月上旬。
蒴果は長さ5-7㎜、幅約5㎜の楕円形。種子は長さ0.3㎜の惰円形で、網目模様がある。

※ 和名は発見者の田代善太郎氏にちなみ牧野富太郎博士の命名。


主写真撮影日:2015-07-12   撮影地:神奈川県 真鶴町
撮影者:MOMO