ヤマアゼスゲ

学名:Carex heterolepis  

ヤマアゼスゲ(山畔菅) カヤツリグサ科スゲ属アゼスゲ節

北海道(南西部)・本州・四国・九州の山地の水辺・湿地・渓流沿いなどに生育する多年草。

丈は50-70cm。茎は叢生し、太い根茎を伸ばす。基部の鞘は、黄褐色で糸網がある。葉は幅4-6mm、表面はやや粉を吹いたようになっており、縁はざらつく。花茎の上部は強いざらつきがある。花序の形は頂小穂が雄性、側小穂は雌性。小穂は全体で3~7個生じる。小穂の基部から出る苞は、葉身部が葉状から針状となる。頂生の雄小穂は線柱形で長さ2-5cm。雄花鱗片は濃紫紅色で、先端は鈍く尖るか小さな突起になって突き出す。側生の雌小穂は円柱形で長さ2-7cm、雌花は15-45列になる。雌小穂の多くには柄がない。雌花鱗片は果胞とほぼ同じ長さかやや短く、紫褐色で、先端は鈍く尖るか小さな突起になって突き出る。
花期は5-6月。
果胞は扁平で長さ2.5-3mm、毛はなく、稜の間に脈はなく、その上部では表面に乳頭状突起がある。先端部は短い嘴になり、その先端の口部は小さく2つに裂ける。痩果は倒卵形で断面はレンズ状、長さ2.5-3mm、柱頭は2つに裂ける。

※ 名はアゼスゲに似て山地に分布することから。
 アゼスゲ(Carex thunbergii)との相違点は葉の縁と有花茎が強くざらつき、基部の鞘に糸網があり、地下茎を持ち、果胞の口部が2裂することで区別可能。


主写真撮影日:2015-05-21   撮影地:長野県松本市 上高地
撮影者:MOMO