クチナシ

学名:Gardenia jasminoides  

クチナシ(梔子、巵子、支子) アカネ科クチナシ属

静岡県以西の本州・四国・九州・沖縄の、山地の林縁に生育する常緑低木。乾燥に強く、花も美しいので庭園や路側帯などによく植栽される。

樹高は1-2m。樹皮は灰褐色。枝は始めは緑色、後に灰緑色。粉状の微細な毛が密生する。葉は対生、ときに3輪生。葉身は長さ5-12cm、幅2.5-5cmの倒披針形または長楕円形。先は尖り、基部は広い楔形。縁は全縁。革質で両面とも無毛。葉柄は長さ5mm以下。托葉は4個がすべて合着し、長さ6-10mmの筒状になり、先は斜めに切れる。枝先に芳香のある白色の花を1個ずつ付ける。花冠は径5-6cmの高胚型で、先は5-7裂する。雄蕊は花冠の裂片と同数あり、花糸は短い。葯は長さ約1.5cm、花冠の裂片の間から花の外にでる。花柱は棍棒状。萼は5-7稜あり、先は5-7裂する。
花期は6-7月。
果実は肉質の液果。長さ2-3cmの楕円形で、5-7稜あり、先端に萼片が残る。11-12月に橙色に熟す。種子は多数、長さ約4mmの扁平な卵形。

※ 名の由来については、果実が熟しても裂けたり弾けたりしないので、口が無い「口無」、果実の頂点に残る萼を鳥のくちばし、果実自体を梨に見立てて、口のある梨「口梨」など諸説ある。
  果実は黄色の染料に利用され、食品の着色にも使用される。消炎・止血・解熱などの薬用にも用いられる。
 [近縁種]
  オガサワラクチナシ:葉がクチナシより厚い。
  コクチナシ    :全体に小形で花も葉も一回り小さく、鉢植えや庭木に良く利用される。中国原産。


主写真撮影日:2015-07-20   撮影地:神奈川県相模原市南区 (植栽)
撮影者:MOMO