学名:Scopolia japonica
ハシリドコロ(走野老、莨菪)[別名:キチガイイモ、キチガイナスビ] ナス科ハシリドコロ属本州・四国・九州の、 山地の林下に生育する多年草。
丈は30-60cm。塊状の根茎を持ち、広がって群生する。全草、無毛、みずみずしく柔らかい。葉は長さ6-15cmの長楕円形で全縁。花は葉腋から細い花茎で垂れ下がる。花冠は暗紫紅色、長さ約2cmの鐘形で先は5裂する。
花期は4-5月。
果実は、蒴果で径約1cmの球形。
※ 名は、食べると、全草にアトロピンなどが含まれ、大脳皮質の中枢を興奮させ、めまいや幻覚を引き起す。これらの症状により苦しんで走り回るので「走り」、また根塊がオニドコロの根に似ていることから「野老」が付けられたもの。
早春に土から顔を出す新芽はハンゴンソウ、フキノトウ、オオバギボウシと間違える事があるので、注意が必要。
根茎および根は生薬名をロートコンと呼び、鎮痛・鎮痙薬とされるほか、ロートエキスの原料、アトロピンやスコポラミンの製造原料などに用いられる。
主写真撮影日:2015-05-21 撮影地:長野県松本市 上高地
撮影者:MOMO