
学名:Symphyotrichum pilosum
キダチコンギク(木立紺菊) キク科ホウキギク属北アメリカ原産で、日本では1950年代に確認された帰化植物で、関東以西~九州の荒地や道端・河端などに生育する多年草。
丈は40-150cm。太くて短い根茎があり、株立ちになる。茎は直立して分枝し、下部は木質化する。茎は全体に柔らかな立った毛がまばらにあるのが普通。主軸の茎から出る枝は主軸に対してほぼ直角に出て伸び、先端はしばしば下向きに垂れる。葉は主軸の茎から出る葉と側枝の花茎から出る葉で多分に形が異なる。主茎の下部から出る葉は大きめで線状披針形~倒披針形で長さ5-8cm、幅2-8mm、往々にして鎌状に曲がり、先端は突き出して尖り、縁はほぼ滑らかで葉柄はない。対して側枝の花茎から出る葉は小さく細くて非常に数が多く、広線形~線形で長さ5-10mm、幅は1mm以下。どちらの葉も表面と裏面はほぼ無毛だが縁には立った毛が並ぶ。頭花は多数付き、径1.5cmほど。花柄は長さ2-15mm。総苞は半球形で高さが4-6mm。総苞片は4-5列で、披針形から線状披針形で先端が細く突き出して尖る。列の内の外側のものは短くて先端が外向きに反り返り、中程、内側の列のものはほぼ同じ長さで直立し小花を囲む。その中肋と先端の部分は緑色で草質となり、基部の方の縁は白くて膜質、全体にほぼ無毛。内側にある筒状花は約30個あり、始め黄色で次第に赤紫色を薄く帯びる。外側に並ぶ舌状花は約30個あって2列に並び、その舌状部は長楕円形で白く、長さ6-8mm、幅約0.6mm。
花期は8-10月。
果実は痩果で円柱形で黄褐色、全体に細かい毛が密生している。先端にある冠毛は白く、筒状花とほぼ同じ長さがある。
※ 花は小さいものの、その数が多く、また密集して咲くために鑑賞価値は高い。
園芸種であるシロクジャクまたは一般にクジャクソウは、本種に由来するものではないかと言われる。
主写真撮影日:2014-11-15 撮影地:東京都町田市
撮影者:MOMO