ヒメクグ

学名:Kyllinga brevifolia var. leiolepis  

ヒメクグ(姫莎草) カヤツリグサ科カヤツリグサ属

日本全土の、湿地や水田の日照の良い場所に生育する多年草。

丈は10-30cm。地下茎は浅い土の中を横に這い、茶色の鞘に包まれる。節ごとに疎らに花茎を出すが、匍匐茎の伸びが悪く花茎が集まって生じることもある。花茎を出す前は、葉を付ける短い茎があり、根出葉を広げる。根出葉は平らに広がって伸び、黄緑色で表面に強い照りがある。花茎は断面が三角で、緑色で艶がある。先端に花序がつく。花序のすぐ下にそれぞれ長さが異なる3枚ほどの苞がつく。苞は葉状で、水平に広がり、長く伸びる。花序は多数の小穂が頭状に集まったもので、ほぼ球形のものが一つだけ(稀に2-3個)。小穂は小穂は長さ3.5-4mm、長楕円形左右から偏平で、基本的にはカヤツリグサ属の一般と同じく、2つ折りになった鱗片が2列につく形だが、花数が極端に少なく、鱗片は4個の鱗片からなり、上方の2個が大きく、下方の2個は小さく、上から2番目の鱗片に両性花がつき結実する。花柱は長さが鱗片のほぼ1/2。柱頭は2個。下方の2個の鱗片は苞葉と前葉に相当する。鱗片は卵形で尖り先端はわずかに反曲し、膜質、淡緑色で細脈がある。鱗片の竜骨は平滑で先端は反曲しない。
花期は7-10月。
果実は痩果で、完熟すると小穂全体が基部から脱落する。痩果は広倒卵形で長さは鱗片の約1/2。


※ 名は、花序がイヌクグ(別名:クグ)に似ているが、小さいことから。

 [近縁種]
   アイダクグ :Kyllinga brevifolia var. brevifolia
          和名の漢字表記は間莎草(別名:タイワンヒメクグ)
          ヒメクグと良く似ていて、ヒメクグの基本変種とされる。
          ヒメクグに比べ、やや大柄で茎も太い。(丈は高さ15-55cm)
          竜骨(2つ折りになった鱗片の背中側の稜)に数個の小刺がある。
   オオヒメクグ:Kyllinga killingia
          日本での分布は沖縄県。
          丈は20-40cm、花序の色が類白色。
          竜骨に翼が出る。


主写真撮影日:2012-10-25   撮影地:東京都町田市
撮影者:MOMO