アカザ

学名:Chenopodium album var. centrorubrum  

アカザ(藜) ヒユ科アカザ属

南アジアから北アフリカ・北アメリカ原産の古い時代の帰化植物で、北海道・本州・四国・九州・沖縄の、畑・道端・荒れ地などに生育する一年草。

丈は0.6-2m。シロザの変種で、葉の透明な粉状物が赤く、若葉の先が赤くなる。茎に明瞭な縦筋があって直立し、太いものは径3cmにもなり、秋には木質化する。葉は互生し、長い葉柄を持ち、葉身は長さ3-6cmの菱状卵型から三角形で、平らになり、全縁または不規則な鋸歯あるいは裂片がある。花序は普通、数個の径2mmほどの花が団散花序を作り(稀に花が単生)で、腋生または頂生の穂状花序、円錐花序か二出集散花序に付く。苞と小苞はない。花被片(萼片)は5個で長さ約1mm、花後も残る。雄しべは5個で雌しべが熟してから伸びてくる。花柱は2個。
花期は8-10月。
果実は花被片に包まれ、果皮がごく薄い膜状の胞果で1個の種子を包む。種子は径1-1.3mmの円形で黒色、光沢があり、嘴状突起を出さない。

※ 名は、アカアサ(赤麻)やアカクサ(赤草)、アカナ(赤菜)などから転訛したという説、新葉の基部を仏が座る赤い台座に見立てたという説などがある。
 若芽、若葉、花、未熟な種子は食用にできる。
 中国では生薬藜(れい)として、のどの痛みや整腸の民間薬として、アカザの全草が用いられる。


主写真撮影日:2012-10-20   撮影地:神奈川県大和市
撮影者:MOMO