学名:Eutrema japonicum
ワサビ(山葵、山萮菜) アブラナ科ワサビ属北海道・本州・四国・九州の深山の渓谷、渓流の冷涼な湿地の砂礫地、沢や水のかかる岩陰などで生育する多年草。野生のものは珍しく、主に静岡県や長野県の清流や涼しい畑で栽培されている。
花茎の丈は20-40cm。全草に香気と辛味がある。地下にある根茎は太い円柱状または円錐形で横筋があり、細根を出す。根生葉は根茎の頂部から束生し、長さ10-20cmの長い葉柄を持ち、葉身は径5-13 cmの大型で円形に近い心形で光沢があり、葉縁に不揃いな鋸歯と波状の凹凸があり越冬する。茎葉はほぼ円形で、光沢がある。花は、根茎の頂から長さ20-40cmの茎が直立し、柄の短い小型の葉を互生し、茎頂や上部の葉腋に、白色の十字形の花をを総状に付ける。花弁は倒卵形長さ約6mm、基部は爪状。雄蕊は6個、葯は黄色。
花期は3-5月。
果実は長角果で、数珠状にくびれ、長さ1.5-2cm。
※ 名の由来は、悪(わる)・障(さわる)・疼(ひびく)の組み合わせという説があるが、詳細は不詳。漢字で「山葵」と書く由来は諸説あり、一説には深山に生え、ゼニアオイ(銭葵)の葉に似ているからといわれている。
天然のワサビは根茎が小指大で、おろしワサビには不向き。春に摘んだ茎葉をワサビ漬けや御浸しにしたり、細かく刻んだものを薬味にして使うのが一般的。
セイヨウワサビ(西洋山葵)はワサビダイコン(山葵大根)とも呼ばれ、英名はホースラディッシュ(horseradish)であるが、ワサビ属ではなく、セイヨウワサビ属(Armoracia)。ワサビの代用としても使われる。
主写真撮影日:2013-04-04 撮影地:東京都町田市 忠生公園
撮影者:MOMO