イヌエンジュ

学名:Maackia amurensis  

イヌエンジュ(犬槐) マメ科イヌエンジュ属

北海道・本州・四国・九州の、山地や河原などに生育する落葉高木。

樹高は15mほどになる。樹皮は灰褐色で、菱形やそれがいくつか連なった波型に粗く裂開する。葉は互生し、長さ20-30cmの奇数羽状複葉で、小葉は3-6対あり、ほぼ対生する。小葉は長さ4-7cmの卵形で全縁。表面は脈上を除きほぼ無毛、裏面には褐色の軟毛が密生する。花は枝先に長さ5-15cmの総状花序を3-7個出し、長さ1-1.2cmの淡黄白色の蝶形花を多数付ける。萼は長さ4-5mm、外面には軟毛が密生する。上部は4裂し、上側の裂片は丸く、下側の裂片3個は三角形。雄蕊10個は全て離生する。
花期は7-8月。
果実は豆果(莢果)で、長さ4-9cm、幅約1cmのいびつな広線形。10-11月に熟すが鞘は裂開しない。表面には短い伏毛が生え、向軸側の縫合線は狭い翼になる。長さ7-8mmの種子が3-6個入る。

※ 名は中国で珍重されていたエンジュに似ているが、格下だと表すイヌが付けられた。
 枝は折るとソラマメに似た臭気がある。
 庭木としても植栽され、材は辺材が黄色で心材が暗褐色でその対比が美しいため、床柱や挽物細工に使われる。


主写真撮影日:2015-07-31   撮影地:長野県松本市
撮影者:MOMO