ゲッカビジン

学名:Epiphyllum oxypetalum  

ゲッカビジン(月下美人) サボテン科クジャクサボテン属

メキシコの熱帯雨林の原産で、観賞用に栽培される多肉植物の多年草。

葉状茎の丈が1mから2mに成長すると、開花するようになる。茎は昆布の様に扁平な葉状、時に株元から細長い鞭状の茎を伸ばす。葉状茎の縁は波打ち、その凹部のくぼんだ点に産毛状に退化した刺を持つ刺座がある。成長点は、この凹みと茎頂にあり、そこから新しい葉状茎や蕾を出す。花は、夜に咲き始め翌朝までの一晩でしぼみ、雌蕊に他家受粉が起きなければ散る。花冠は径20-25cm程で白色、芳香を放つ。花は、重なり合った薄い花弁の根元に長く突き出た雌蕊があり、その周りを囲むように絹糸状の雄しべがびっしり付く。
花期は、4-6月。
果実は、原産地では小型コウモリ類が受粉することで実るが、日本では人工受粉が必要となる。成熟した果実は表面が赤く内部の果肉は白く黒い胡麻状の種子が数多く散在する。形状は紡錘形で大きいもので径8cm、長さ12cm程度。

※ 開花中の花、開花後のしぼんだ花ともに食用になる。また果実も甘みがあり食用になる。
 古くから普及していた株では、同一個体からのクローンであったため、人工授粉しても殆ど結実しなかったが、現在は複数の株のクローンが栽培されるため人工授粉で結実するものが多くなった。「食用月下美人」と銘打って販売されているものもある。
 7℃以下になるときは室内に取り込む。凍傷になるとその部分の組織が壊死し、葉状茎に褐色斑点が生じる。


主写真撮影日:1972-09-15   撮影地:神奈川県横浜市港北区 (植栽)
撮影者:MOMO