ムキタケ

学名:Sarcomyxa serotina  

ムキタケ(剥茸) ガマノホタケ科ムキタケ属

秋、広葉樹の枯木(とくにブナ・ミズナラなどの枯幹)に、多数重なり合って発生する白色腐朽菌。

傘は径3-15cm、半円形~腎臓形、殆ど粘性を欠き、汚黄色~汚黄褐色で緑や紫を帯びることがあり、微毛に覆われる。表皮は剥がれ易い。襞は密、黄白色、柄に垂生はしない。柄は太短く表面に毛が生え、傘の一端に付き中実。肉は殆ど白色で、傷を付けても変色せず、匂いは温和、ほぼ無味または若干の苦味がある。胞子紋は白色。胞子は長さ4-5.5μm、幅約1μmのソーセージ形、無色で平滑、アミロイド。側シスチジアは円柱形~棍棒状~細い紡錘形で薄壁から次第に厚壁になる。縁シスチジアは細い紡錘形で薄壁。傘表面にもやや厚壁で無色~淡褐色のシスチジアが密生する。傘の表皮層は、互いに緊密に絡み合いながら匍匐した菌糸で構成され、表皮層と傘の肉との間には、ゼラチン層に埋もれた細い菌糸からなる離層が発達する。

※ 名称に付いては、ムキタケは傘色が緑色タイプの Sarcomyxa serotina と、2003年に中国で命名された黄色タイプのPanellus edulis が混同されてている説があり、黄色タイプは学名を Sarcomyxa edulis 和名をムキタケ、緑色タイプは学名を Sarcomyxa serotina 和名を「オソムキタケ」にすべきだという提案がなされているので、改名される可能性がある。
 古くから食用キノコとされ、カタハ・ノドヤキ・ムクダイなど、さまざまな方言名で呼ばれているが、外観が有毒のツキヨタケに似ることがあり、厳重な注意を要する。ツキヨタケは、新鮮な子実体のひだには弱い発光性があること、ひだと柄との境に、低いツバ状の隆起を有することが多く、通常は柄の肉に黒いしみがあることなどの点でムキタケと異なる。


主写真撮影日:2019-11-21   撮影地:相模原市緑区藤野地区
撮影者:MOMO