ナラタケ

学名:Armillaria mellea subsp. nipponica  

ナラタケ(楢茸) タマバリタケ科ナラタケ属

春~晩秋、広葉樹の朽木や立木の根元に多数群生または束生する腐朽菌。

傘は径3-7cm、初め円錐形で後に殆ど平らに開く。色は黄褐色~暗オリーブ褐色~帯褐白色で、中央部に未発達の暗色の微毛状鱗片を密生し、普通粘性はない。襞は直生状垂生~垂生し、やや密~やや疎。白色でしばしば黄色く縁取られるが、傘が黄色の子実体ではしばしばくすんだ黄色を帯びる。ツバは白色で黄色い縁取りがあり、厚い膜質で条線がある。柄は長さ6-10cm、太さ6-10mm、上下同大か基部がやや膨れることがあるり、中実。色は淡黄色、ツバの下方に白~淡黄色のささくれ状鱗片を付着する。肉は堅くて脆く、生のとき強い渋みがある。担子器の基部にクランプはなく、子実下層の菌糸に単一の核がある。胞子紋は白色。胞子は長さ10-13.5μm、幅6-8μmで、海外産のものより一回り大形。

※ 過去のナラタケ属は、ナラタケとナラタケモドキとされていたが、国内産でも学名が認められるもので10種の他、新種の可能性のあるものが数種存在する。
 全国的に食用にされていたため、各地で様々な呼び名が付けられており、ボリボリ、オリミキ、アマンダレ、ナラモタセ、ヤブタロウなどがある。歯切れ、舌触りが良く、ほのかに甘い香りがある。ただし生食すると中毒を起こす成分があり、調理したものでも食べ過ぎると腹痛や下痢を起こすことがあるので注意。
 ナラタケ菌は、生きている立木にも菌糸を伸ばし枯らしてしまう樹病菌でもありナラタケ病と呼ばれ、リンゴ、ナシ、モモ、ブドウ、クリなどの果樹、サクラやナラ類などの木本類、ジャガイモ、ニンジンなどでの発生が報告されている。
 また、ナラタケ菌糸は種子植物のラン科のツチアケビやオニノヤガラと共生する。


主写真撮影日:2019-10-28   撮影地:東京都町田市
撮影者:MOMO