チウロコタケ

学名:Stereum gausapatum  

チウロコタケ(血鱗茸) ウロコタケ科キウロコタケ属

夏から秋、広葉樹(ナラ・クヌギ)の枯木・枯枝・切株および丸太などに発生する白色腐朽菌。

子実体は1年生、柄は無く棚状に側生し、ときに背着生~半背着生、傘が横に合着すると幅2-3cmになる。多数重なり合って群生する。 傘は張り出し長さ1-2cm、半円形~貝殻形~扇形、扇状に波打ち、硬い革質、背面は黄褐色~暗褐色、粗毛が密生し、やや環紋がある。腹面の子実層は無毛、平滑、新鮮なときは黄白色~黄泥色、生育時に傷つけると血が滲むように暗赤色になり、乾くと暗褐色になる。表皮の毛層の下に薄い暗色の下皮があり、子実層にはシスチジアは無く、褐色の汁液を含む汁管菌糸があり、汁管菌糸は長さ75-100µm、幅5-6µm。肉は薄く、丈夫で、帯白色~淡褐色。KOHによる変色性は肉にはなく、傘表面では黒変することもある。胞子紋は見え難く白色。胞子は長さ5-8µm、幅2-3µmの長楕円形、無色、平滑、アミロイド。菌糸は2菌糸型、原菌糸はクランプが無い。

※ 名は、子実層面を傷つけると赤い分泌液を出すことから。
 [近縁種]
  チウロコタケモドキ:Stereum sanguinolentum
            針葉樹の生木の枯枝から侵入して立ち枯れを起こす病菌。
            背面は粗毛におおわれ茶褐色の環紋があり、腹面は黄褐色で平滑。
            チウロコタケと同様に、子実層面を傷つけると赤い分泌液を出す。


主写真撮影日:2019-10-20   撮影地:東京都町田市
撮影者:MOMO