タヌキノチャブクロ

学名:Lycoperdon pyriforme  

タヌキノチャブクロ(狸茶袋)[別名:ケムリタケ] ハラタケ科ホコリタケ属

夏から秋にかけて林内の朽木、ときに腐植土上に群生する。

子実体は高さ2-5cm、幅1.5-5cmの逆洋梨形で頭部と柄部に分かれる。外皮は糠状~粉状稀に疣状から成るが剥離しやすい。熟すると褐色の光沢のある内皮が現れる。柄の頂端から頭部の底部にかけて、柱軸と呼ばれる円錐状の無性組織が発達する。内部は初めは肉質で白い半片状、最終的には胞子と弾糸と呼ばれる乾燥した綿状の菌糸で構成された暗褐色、古綿状の塊となる。胞子が成熟すると、頂部に穴が開き、胞子を噴出する。胞子はオリーブ褐色、直径3.5-4.5µm、球形、わずかに微細突起が付くかまたは平滑、無柄、1個の大きな油滴を含む。弾糸は幅3.5-4.5µm、壁厚1-2µmの厚壁、幅2-8µm、KOH中でオリーブ色~帯褐色(青色)、分岐が少なく、無隔壁、小孔は無い。

※ 名のチャブクロ(茶袋)は、茶を煎じるため、もしくは茶の葉を入れるために用いる袋で、外観がこれに似ることから。
 ホコリタケは別名キツネノチャブクロだが、タヌキとキツネの訳は不詳。
 内部が綿状に変わる前の幼菌は、食用になる。


主写真撮影日:2019-10-20   撮影地:東京都町田市
撮影者:MOMO