フユノハナワラビ

学名:Botrychium ternatum  

フユノハナワラビ(冬の花蕨)[別名:カンワラビ] ハナヤスリ科ハナワラビ属

北海道・本州・四国・九州の、明るい林床や草地に秋から冬にかけて生育(冬緑性)する羊歯植物。

丈は15-50cm。根茎は短く、葉は年に1枚生じ、高さ15-30cm、担葉体は2-4cm。栄養葉と胞子葉が地際で別々に相接して出るように見える。栄養葉の柄は長く3-10cmで無毛、葉身は五角形、3-4回羽状深裂、長さ5-10cm、幅8-12cm、暗緑色でやや厚い革質。裂片は広楕円形~広卵形で円筒、縁には僅かに鈍鋸歯がある。裂片間はあまり混み合っていない。胞子葉は栄養葉よりかなり長く、柄の長さは12-25cm。胞子嚢穂は円錐状に2-3回羽状分枝する。胞子は表面が僅かに粒がある網状。

※ 名は、冬に胞子葉をもたげ、あたかも花のように見えることから。
 草姿が見栄えするため、盆栽として植栽もされる。
 漢方薬「陰地蕨(インチケツ)」の原料で、全草を刈取りとって干したものを煎じて、腹痛や下痢の薬とする。
 晩秋から冬にかけてやや赤みを帯びる個体もある。
 [近縁種]
  オオハナワラビ:Botrychium japonicum
          フユノハナワラビよりやや大形、葉の縁は鋭鋸歯、葉柄や羽軸に長い毛が散在する。
  アカハナワラビ:Botrychium nipponicum
          冬に葉が赤くなり、毛が生えない。


主写真撮影日:2019-10-20   撮影地:東京都町田市
撮影者:MOMO