カシワ

学名:Quercus dentata  

カシワ(柏)[別名:カシワギ、モチガシワ] ブナ科コナラ属

北海道・本州・四国・九州の、山野の痩せ地や礫地、海岸などに生育する落葉高木。

樹高は15m、幹径60cmほどになる。樹皮は灰褐色~黒褐色。縦に不規則に深い割れ目が入る。枝には縦に溝があり、灰褐色の短毛と星状毛が密生する。丸い皮目が散生する。葉は互生。葉身は長さ12-32cm、幅6-18cmの倒卵状楕円形で洋紙質。先端は鈍く、基部はやや耳状に張り出す。縁には波状の大きな鋸歯がある。表面には始め短毛や星状毛があるが、のち無毛になる。裏面は灰褐色で短毛と星状毛が密生する。葉柄はごく短い。秋に枯れた葉が春まで付いたまま、新芽が出るまでは落葉しない。托葉は長さ1.4-1.8の線形で開葉後間もなく落ちる。雌雄同株。晩春~初夏、葉の展開と同時に開花する。雄花序は長さ10-15cm、新枝の下部から垂れ下がる。雄花の花被は径約2mm。雌花序は新枝の葉腋から出て、雌花が5-6個付く。花柱は3個。
花期は5-6月。
果実は堅果で、長さ1.5-2cmの卵球形。その年の秋に熟す。殻斗の鱗片は線形で、螺旋状にびっしりと付く。

※ 名は、「炊葉(かしきは)」あるいは「食敷葉(かしわ)に由来し、食物を包んだり、食物の下に敷いたことにちなむという説と葉が堅いことから「堅し葉」に由来するいう説がある。
 材は堅く、建築材・家具材・ビール樽・薪炭材に使われる。葉はかしわ餅に使う。樹皮はタンニンの原料。葉・果実・樹皮を煮出して染色に用いる。
 新芽が出るまで枯れ葉が落ちないことから縁起物として庭木として植栽もされる。


主写真撮影日:2019-09-05   撮影地:東京都八王子市 高尾山 (果実)
撮影者:MOMO