カラフトホソバハコベ

学名:Stellaria graminea  

カラフトホソバハコベ(樺太細葉繁縷)[別名:ステラリア・グラミネア] ナデシコ科ハコベ属

ヨーロッパ原産で、北海道・本州の関東・中部地方以北の道端や河川敷・草地に生育する多年草。

丈は50-50cm。茎は無毛で4稜があり基部からよく分枝して斜めに立ち上がる。茎が細く自立性がないため、他の植物に寄りかかる。葉は無柄で対生し、長さ1.5-4cm、幅1.5-4mmの広線形で先は次第に細くなって鋭く尖り、基部付近の縁に疎らな長毛がある。茎頂に10-40個の花が2出集散状に疎らに付く。花柄は長さ0.5-5cmの糸状で基部には薄い鱗片状の苞葉が1対ある。最下の苞葉は葉と同形、他は長さ2-6mmの狭卵形。花は白色で径0.5-1.2cm、花弁は5個で萼片とほぼ同長、基部近くまで切れ込んでいるので10弁に見える。萼片は長さ3-6mmで3脈があり、鋭尖頭。雌性のものと両性のものがあり、両性花のほうが大きい。両性花では雄しべは10個、雌性花では雄しべはないか少数、雌しべは1個で花柱は3個。
花期は6-8月。
果実は蒴果、長さ約6mmの楕円形で数個の種子を含む。種子は直径1mmの円形、淡褐色で光沢はなく、側面にうね状の隆起線がある。

※ 名は明治時代に樺太で見いだされたことから。
 [近縁種]
  イトハコベ  :Stellaria neopalustris
          草丈や茎が細く、花もよく似るが、花弁は細めで平開しない。
          関東・東北地方に分布。環境省レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されている。
  ナガバツメクサ:Stellaria longifolia
          草丈は20-40cm。茎の4稜に突起があるが、カラフトホソバハコベの4稜に突起は無い。
          葉は線形で幅1.5-2.5mmで、カラフトホソバハコベより全体的に細い。
          萼片が尖らない。
          北海道と本州の東北地方に分布。  


主写真撮影日:2019-07-02   撮影地:北海道釧路市 阿寒湖湖畔
撮影者:MOMO