アズキナシ

学名:Aria alnifolia  

アズキナシ(小豆梨)[別名:ハカリノメ] バラ科アズキナシ属

北海道・本州・四国・九州の山地に生育する落葉高木。乾燥した尾根筋や斜面などの落葉樹林に多い。

樹高は10-15m、幹径20-30cmになる。樹皮は灰黒褐色で、ざらつく。若木では枝と同様に白い皮目が目立ち、老木になると縦に細長く浅い裂け目が入る。若い枝は紫黒色で光沢があり、白い皮目が目立つ。葉は互生。葉身は長さ5-10cm、幅3-7cmの卵形または楕円形。先端は短く尖り、基部は円形または切形、縁には浅い重鋸歯がある。始め両面に軟毛が散生するが、後に無毛。葉柄は長さ1-2cmで赤味を帯び、軟毛が少しある。晩春から初夏、枝先に複散房花序を出し、径1-1.5cmの白い花を5-20個付ける。花弁は円形で、平開する。雄蕊は約20個、花柱は無毛で2個。花序は無毛または白い軟毛が散生する。萼片は長さ2-3mmの三角形で内側に綿毛が生える。
花期は5-6月。
果実はナシ状果で、径8-10mmの楕円形で、10-11月に赤色に熟す。表面には白い皮目が疎らにある。花のあと萼片は脱落し、頂部に丸い跡が残る。果肉には石細胞とタンニンが多く、じゃりじゃりする。種子は4個、長さ6mmほどの半球形。

※ 名は、果実がナシの実に似て小さいことから。また別名のハカリノメは、枝の皮目を秤の目盛りに見立てたことから。
 [近縁種]
  フギレアズキナシ :Aria alnifolia f. lobulata
            葉が浅く切れ込み、基部が心形になる。本州の東北・関東・中部地方と対馬に分布。
  オクシモアズキナシ:Sorbus alnifolia var. submollis (ナナカマド属)
            葉の表面に白い軟毛が密生する。北海道と本州の日光・赤城山などに分布。


主写真撮影日:2019-06-15   撮影地:長野県原村
撮影者:MOMO