キエビネ

学名:Calanthe striata  

キエビネ(黃海老根) ラン科エビネ属

紀伊半島以西の本州・四国・九州・沖縄の、山地のやや湿った林下に生育する多年草。よく栽培され、交配種も多い。

花茎の丈は30-55cm。根茎は長く、太い。偽鱗茎は(長さ2-2.5cm、幅2-2.5cm)と小さく、5-7個の鞘を持つ。葉は2-3枚付き、花時によく発達し、落葉しない。葉身は広楕円形、長さ20-60cm、幅7-15cm、先は鋭形又は微突形になる。基部は葉柄状になり、6-18cm、偽茎は長さ4-14cm、径約1.5cm。花茎は長さ40-50cm、疎らに微軟毛がある。花序軸は長さ6-15cm、緩く~密に、花が6-13個付く。花の苞は宿存性で緑色、披針形、膜質、長さ10-15mm、無毛で先は尖鋭形。花は明るい黄色、幅5.5-6.5cm、わずかに肉質、芳香があるものもある。花柄及び子房は長さ10-20mm、疎らに微軟毛がある。背咢片は楕円形、長さ22-30mm、幅10-15mm、先は鋭形。側咢片は卵状長楕円形、斜め、長さ18-28mm、幅8-14mm、先は鋭形。花弁は狭楕円形、長さ19-24mm、幅7-9.5mm、基部は狭く先は鋭形。唇弁はカラムの翼の長さ全体に付き、水平に広がり、黄色、基部がまだらの赤色で、深く3裂する。側裂片は卵形又は鎌状倒卵形で斜めになり、長さ10-15mm、幅5-8mm、先は鈍状円形。中裂片は楕円形に近く、長さ9-13mm、幅5-9mm、先は微突形。距は長さ約8mm、内側には微軟毛がある。
花期は4-5月。
果実は、蒴果。

※ 全体にエビネよりも一回り大きい。
 東日本に自生するものはエビネとの交雑種の植栽園芸品が野生化したものとされる。 


主写真撮影日:2019-05-08   撮影地:神奈川県相模原市緑区 (植栽)
撮影者:MOMO