セッコク

学名:Dendrobium moniliforme  

セッコク(石斛) ラン科セッコク属

岩手県以南の本州・四国・九州・沖縄の岩上や針葉樹や常緑広葉樹に着生する多年草。

茎の丈は5-25cm。節のある細い棒状のバルブを何本も束ね、細い根で木や岩に着生する。茎は径3-6mm、堅く、始めは緑色を帯び、通常は後に黒紫色になる。間隔1.5-2.5cmで多数の節があり、節ごとに出る葉の基部の鞘に包まれる。一年目の茎には節ごとに葉がある。葉は茎頂部に互生し、長さ3-7cm、幅0.5-1.5cmの披針形~楕円形で、厚くやや堅く、艶がある。葉は年の終わりには葉鞘との間で脱落する。新しい芽は古い茎の基部から横に出る。また、茎の先の方から新しい芽が伸び、その根元から根を生じる形で新しい個体ができることもある。花序は1-数個が古い茎の中間に付く。花はふつう1-3個付き、花柄は長さ3-5mm。苞は長さ3-8mm、幅2-3mmの卵形で褐色の斑点がある。小花柄と子房は長さ1-3cm。花色は黄緑色~白色~淡紅紫色。萼片2個と側花弁はほぼ同形で長さ10-40mm、幅1.5-10mm。唇弁は長さ23-40mm、幅10-15mmで5-6脈があり先が尖る。
花期は4-6月。
果実は蒴果。

※ 名の石斛は、本来は中国産の近似種(Dendrobium crispulum、Dendrobium Kwantungenseなど)に当てられた名称。
 江戸時代より栽培され、長生蘭(ちようせいらん)、竹蘭とも呼ばれる。花が濃紅色・紅色・丸弁などの園芸品種も多数ある。
 日当たりと風通しのよい環境でよく育つ。乾燥に強く、逆に多湿には弱い。寒さには強いが霜には注意する。


主写真撮影日:2019-05-08   撮影地:神奈川県相模原市緑区 (植栽)
撮影者:MOMO