トサミズキ

学名:Corylopsis spicata  

トサミズキ(土佐水木) マンサク科トサミズキ属

高知県の蛇紋岩地や石灰岩地に自生する落葉低木。庭木や盆栽として植栽される。

樹高は4mほどになる。幹は叢生し、ほぼ球形の樹冠をつくる。樹皮は灰褐色で皮目がある。若い枝には長毛と星状毛がやや密に生える。葉は互生。葉身は長さ5-11cm、幅3-8cmの卵円形または倒卵円形で、左右不相称。先は急に鋭く尖るか鈍く、基部は心形。縁には波状の鋸歯があり、葉脈の先端には棘状の突起がある。側脈は7-8対。表面は無毛。裏面は白緑色で星状毛がやや密に生え、脈上には長毛が密生する。葉柄は長さ1.5-2cm。托葉は膜質で早落性。春、葉が展開する前に開花する。前年枝の葉腋から垂れ下がった穂状花序に黄色の花が7-10個付く。花序は長さ約4cm、軸には毛が密生する。花は長さ約1cm、雄しべは花弁とほぼ同長、葯は暗赤色。花柱は2個、花弁より長い。
花期は3-4月。
果実は蒴果。径8-10mmの球形、先端に2個の花柱が角状に残る。熟すと2裂し、黒色の種子を2個出す。種子は長さ3-5mmの楕円形で光沢がある。

※ 名は、土佐(高知県)に自生し、葉がミズキ科のミズキ(水木)に似ていることからといわれる。
 江戸時代中期から観賞用に栽培され、現在も庭木としてよく植えられる。


主写真撮影日:2019-04-01   撮影地:神奈川県相模原市南区 (植栽)
撮影者:MOMO