ホルトノキ

学名:Elaeocarpus sylvestris  

ホルトノキ(ホルトの木)[別名:モガシ] ホルトノキ科ホルトノキ属

千葉県南部以西の本州・四国・九州・沖縄の沿海地の林内に生育する常緑高木。

樹高は10-15m、幹径40-50cmになる。大きいものは高さ30mに達する。樹皮は灰褐色。ふつう滑らかで小さな皮目が散在する。本年枝は始め淡黄褐色の毛があるがのち無毛。葉は互生。葉身は長さ5-12cm、幅2-3.5cmの倒披針形または長楕円状披針形。縁には鈍い鋸歯が疎らにある。柔らかい革質で、両面とも無毛。裏面の葉脈腋に膜状の付属物がある。葉柄は長さ5-15mm。夏、葉腋に長さ4-7cmの総状花序を出し、白色の小さな花を15-20個付ける。花弁と萼片は5個。花弁の先端は糸状に細かく裂ける。雄蕊は多数。雌蕊は1個。
花期は7-8月。
果実は核果。長さ1.5-2cmの楕円形。11-2月に黒紫色に熟す。核は長さ約1.5cm。

※ 名は、果実をオリーブの実と誤解し、オリーブ油すなわち「ポルトガルの油」を採る木と思い違いしたことによるという説がある。
 ナンジャモンジャノキとも呼ばれるが、ヒトツバタゴの別名でもあり、それを指すことが多い。
 暖地の社寺に植栽されているほか、庭木・公園樹・街路樹としても植栽される。
 材は建築材・器具材やシイタケ栽培のほだ木に、樹液と枝葉の煎汁は大島紬の黒褐色の染料に使用される。


主写真撮影日:2019-02-10   撮影地:神奈川県逗子市
撮影者:MOMO