オモト

学名:Rohdea japonica  

オモト(万年青) キジカクシ科オモト属

宮城県以南の本州・四国・九州の、林下に生育する常緑多年草。

丈は30-50cm。深緑色の革質で分厚い長さ30-50cm、幅3-7cmの被針形の葉が叢生する。晩春から初夏、葉の間から長さ10-20cm太い花茎を伸ばし、花茎の先の長さ3cmほどの円筒状で肉質の花序に径8mmほどの花を密生させる。花は淡黄緑色で互いに接し横向きにつき、半球形で、花被片は中部以上まで合生して筒となり、裂片は内に曲がり円頭。雄蕊は6個、花被に包まれ、花糸は花筒と合生、葯は卵形。子房は球形、3室で各室に2個の胚珠がある。花柱は甚だ短く、柱頭は3浅裂する。
花期は5-6月。
果実は艶のある径1-1.2cmの液果で、10月頃に赤く熟す。

※ 名は「常緑の葉を老母に、赤い実を子に見立てて、老母が子を抱く姿に見なして“母人(オモト)”と呼んだ」とい説があるが、明確ではない。
 花の受粉はカタツムリやナメクジによって花粉が媒介される蝸牛媒花。
 古くから親しまれてきた園芸植物で、斑入りや変わり葉の希少種が鉢植えで栽培されている。
 全草、特に根茎に強心配糖体のロデイン(rhodein)、ロデキシンA(rhodexin A)、ロデキシンB(rhodexin B)などを含み強い毒性がある。根茎を乾燥させたものは「万年青」と呼ばれる生薬で、強心剤や利尿剤の成分の一つとして利用されているが、一般家庭での利用は危険。


主写真撮影日:2018-11-28   撮影地:神奈川県相模原市南区 (果実)
撮影者:MOMO