ホウロクタケ

学名:Daedalea dickinsii  

ホウロクタケ(焙烙茸) ツガサルノコシカケ科ホウロクタケ属

夏~秋に広葉樹(ナラ・ブナなど)の枯木や切株に発生する1年~多年生の褐色腐朽菌。

通常は無柄で側着生、ときに半背着生し、重なって生えて基部で繋がることもある。傘は半円形、幅4-15cm、厚さ1-2cm、基部は厚いものは5cmほどになり、縁はふつう鈍端、やや鋭端のときもある。背面は淡褐色~コルク色、同心円状に凸凹があり、多数のこぶ状隆起が目立つ場合やほとんど平坦な場合もある。古くなると汚褐色になる。腹面は背面とほぼ同色でコルク色、孔口は円形~多角形、1-2個/mm、ときに迷路状、薄歯状になることもある。孔長は3-10mm。肉は帯褐白色~ココア色、温和臭がある。胞子紋は白色。胞子は無色、長さ4-4.5µm、幅1.8-2.5µmの楕円形~紡錘形で平滑、非アミロイド。3菌糸型(2菌糸型ともいわれる)。原菌糸にはクランプがある。骨格菌糸は淡褐色、幅3-4µm。

※ 「焙烙(ほうろく・ほうらく)」は素焼きの土器(底の浅い鍋みたいな器)で、中世~近世は鍋のように使ったが、現在では豆などをいるのに使われている。名は形がその焙烙に似ることから。
 写真下段の右2枚は、長い柄があり異形だが、腹面は通常のホウロクタケと変わらなかった。


主写真撮影日:2018-11-21   撮影地:神奈川県相模原市南区
撮影者:MOMO