ヤマコウバシ

学名:Lindera glauca  

ヤマコウバシ(山香ばし)[別名:モチギ、ヤマコショウ] クスノキ科クロモジ属

関東地方以西の本州・四国・九州の、山地に生育する落葉低木。

樹高は3-5m。幹は叢生し、球形~扁球形の樹形になる。樹皮は茶褐色。小さな皮目がある。新枝には始め曲がった短毛が生える。2年枝の樹皮は淡褐色で、縦に細い割れ目が入る。冬芽は紡錘形で、クロモジ属では唯一の葉と花の芽の混芽になる。葉は互生、葉身は長さ5-10cm、幅2.5-4cmの長楕円形~楕円形。先端は鈍く、基部は広い楔形、縁は全縁で波打つ。質は厚くて堅く、表面は濃緑色で光沢はない。裏面は灰白色。葉は枯れても枝に残り、翌年の春に落ちる。葉柄は3-4mmと短い。雌雄別株だが雌株しかなく、雄株なしで結実する。春、展開し始めた葉の間から絹毛が密生した短い花柄を数個伸ばし、淡黄色の小さな花を付ける。花被片は6個、長さ約1.5mmの広楕円形で、花のあと脱落する。雌花には仮雄蕊が9個あり、子房と花柱は花被から突き出る。
花期は4月。
果実は液果。径7mmほどの球形で、10-11月に黒く熟す。種子はほぼ球形、隆起線が2本ある。

※ 名は、枝を折ると良い香りがあることから。別名のモチキは葉を乾燥後に粉にして餅に混ぜて食べたことから。
 庭木・盆栽用に植栽されることもある。


主写真撮影日:2018-11-15   撮影地:神奈川県相模原市南区 (果実)
撮影者:MOMO