タンキリマメ

学名:Rhynchosia volubilis  

タンキリマメ(痰切豆)[別名:キツネマメ] マメ科タンキリマメ属

関東地方以西の本州・四国・九州・沖縄の、草地や林縁など、日照の良い場所に生育する蔓性の多年草。

全体に毛が多く、茎には下向きの毛が密生する。葉は互生しする3小葉。小葉は長さ3-5cm、幅2.5-4cmの倒卵形で鈍頭、頂小葉の基部は90度以下の楔形、葉の中央より先寄りで葉幅が最も広い。葉は質がやや厚く、裏面に黄色の腺点があり、軟毛が密生し、表面にも毛が多い。夏から初秋、葉腋に長さ2-4cmの総状花序を出し、5-20個の花を付ける。花は長さ8-10mmの黄色の蝶形花で、旗弁は幅広くて直立し、翼弁と舟弁は細長い。萼の先端は5裂するが、下側の裂片がとくに長く、毛と腺点を持つ。
花期は7-9月。
果実は豆果で、長さ約1.5cm、幅約1cmで、熟すと赤くなり裂開する。中には黒い種子が2個入る。種子は、莢が裂けたあとも、弾き飛ばされることなく莢の縫合線となる縁にぶら下がったまま冬まで残る。

※ 名は、種子(豆)を食べると痰を止める作用があるという俗説から。
 [近縁種]
  トキリマメ:Rhynchosia acuminatifolia
        タンキリマメと良く似るが、小葉は少し薄く、毛は少なめ、先端が尖る。


主写真撮影日:2018-10-28   撮影地:神奈川県相模原市緑区 (果実)
撮影者:MOMO