ベッコウタケ

学名:Perenniporia fraxinea  

ベッコウタケ(鼈甲茸) タマチョレイタケ科ウスキアナタケ属

広葉樹の立木の樹幹の根際に塊状に群生し、ベッコウタケ病と呼ばれる根や幹を枯らす、白色腐朽菌。

子実体は6-8月頃に発生する。始めは卵黄色の瘤状で、次第に棚状に張り出し、傘を形成する。傘は多数が重生し、重なり合って発達する。傘は半円形、横幅5-15cm、厚さ0.5-1.5㎝で扁平、初めは弾力のあるコルク質で表面はビロード状だが、すぐに無毛、卵黄色~黄褐色から次第に栗褐色~黒褐色になり、乾くと下方へ湾曲する。傘の先は鋭端、不明瞭な環紋と環溝がある。傘表面には薄い褐色の殻皮がある。肉は材木色のコルク質、管孔は長さ3-10mm、孔口は微細で6-7個/mm。胞子は卵形で無色、長さ5-7μm、幅4.5-5.5μm。

※ サクラ類・リンゴ・ニセアカシアなどに多く発生し、幹のすでにその機能を失った心材だけでなく、辺材や形成層までも侵すため、樹木は葉が小型化したり、黄緑化したりして徐々に元気をなくし、ときには枯死する。腐朽力が強く、腐朽が進むと、ちょっとした風などでも簡単に倒れるため、公園や街路樹などでは特に注意が必要になる。


主写真撮影日:2019-10-20   撮影地:東京都町田市
撮影者:MOMO