パラグアイオニバス

学名:Victoria cruziana  

パラグアイオニバス(パラグアイ鬼蓮) スイレン科オオオニバス属

パラグアイ・北部アルゼンチン・ボリビアの原産で、巨大な盆状の葉が特徴の水生宿根草。

浮葉は円形で、径1.5-2m、縁が15-20cmほど反り返って、盆形になる。立ち上がった葉の縁には切れ込みがあり、葉に水は溜まらない。葉の裏側には無数の棘がある。葉裏の色は淡緑色。花は径20-40cm、夕方頃から白い花弁を展開させて芳香を発し、夜のうち昆虫などを誘う。翌朝には一度花弁を閉じ、花の中に昆虫などの送粉者を閉じ込める。続いて閉じ込めている間に雄蕊が開いて、花の中で動きまわる送粉者に花粉が付着する。次の朝に再び開花して、送粉者を外に放ち、別の花に受粉させる。その間に白色であった花の色は桃色に変化する。
花期は7-9月。
果実は楕円形の蒴果で、全体に刺がある。中に大きさ1cmほどの黒色の種子が詰まり、熟すと裂開して水中に落下する。種子は1-3ヶ月後に発芽することもあるが、環境条件が悪ければ2-3年の間休眠する。

※ オオオニバス属には、もう1種、オオオニバス(学名:Victoria amazonica)があり、アマゾン川の原産。
 葉の大きさはパラグアイオニバスより大きいが、葉の縁は低く、葉の裏は赤茶色になる。
 蕾の形や花弁の先はパラグアイオニバスより丸みがある。


主写真撮影日:2018-08-15   撮影地:東京都調布市 神代植物園
撮影者:MOMO