モミ

学名:Abies firma  

モミ(樅)[別名:モミソ] マツ科モミ属

本州・四国・九州の、海岸近くの丘陵からブナ帯上部まで生育し、上部でウラジロモミと入れ替わる。ツガやカヤ、アカマツなどと混生する常緑高木。(日本固有種)

樹高は25m、幹径1mほどになる。樹冠は円錐形。初期の成長は遅いが、後に速くなる。寿命は比較的短く200年程度のものが多い。樹皮は灰白色。平滑または浅く割れる。ところどころに横長のヤニ袋が見られる。若い枝には短毛がある。葉は長さ2-3cmの線形で、先端は僅かに凹む。上部の枝や光が十分に当たる枝では螺旋状に付く。若木やあまり日の当たらない枝では2列に並んで付き、葉の先端が2裂して、針状に鋭く尖る。葉枕は発達しない。雌雄同株。雄花は黄緑色。
花期は5月頃。
果実は球果で、長さ6-10cm、径約3cmの円柱形。くすんだ緑色で、苞鱗が長く突き出て螺旋状に並ぶ。同一個体でも右回り左回りの両方が見られる。種鱗は長さ約2.5cm。種子は長さ5-10mm、種子本体より長い翼がある。開花した年の10月頃に熟すと、種鱗は中軸から外れて飛散する。3年に1度程度開花結実する。

※ 名は、風に揉み合うところからという説、信仰の対象から臣木(おみのき)が転嫁したという説などがあるが定かでない。
 材は白色で腐りやすい。建築材・棺や卒塔婆に使われる。

 [近縁種]
  ウラジロモミ:Abies homolepis
         若枝が無毛で、線状の深い溝が目立つ。
  ツガ    :Abies homolepis
         樹形はツガと紛らわしいが、ツガは葉が短く、同じ葉でも長短の差が激しい。


主写真撮影日:2018-08-15   撮影地:東京都調布市 神代植物公園
撮影者:MOMO