ホテイアオイ

学名:Eichhornia crassipes  

ホテイアオイ(布袋葵)[別名:ウォーターヒヤシンス] ミズアオイ科ホテイアオイ属

南アメリカの原産で、中部以南の本州・四国・九州・沖縄の湖沼・溜池・河川・水路・水田などに生育する浮遊植物の多年草。花が青く美しいので観賞用に栽培される。

丈は10-100cm。走出枝を伸ばして娘株を殖やす。葉は根生、高さ10-80cm、ときに1mを超える。葉身は卵心形~円心形で長さ5-20cm、幅5-18cm、葉柄は中ほどが膨れて浮嚢となるが、根を土中に下ろしたときや過密状態で生育するときは浮嚢が発達しない。総状花序に淡紫色(まれに白)の花を多数付ける。花被片は6個、雄蕊は6個、そのうち3個は長く他の3個は短い。雌蕊は3心皮が合着して1個。花には雌蕊と雄蕊の長さの異なる3型(長花柱花・中花柱花・短花柱花)があり、日本に広がっている系統は中花柱花または長花柱花を持つもの。花後、花茎は湾曲して花序は水没し水中で結実する。
花期は6-11月。
果実は蒴果で、長さ約1mmの細かい種子を多数含む。

※ 名は、浮き袋のような丸い形の葉柄を布袋の膨らんだ腹に見立てたもの。
 繁殖力が非常に強く、広い水面を覆い尽くすことがあり、冬季に大量に生じる枯死植物体も、腐敗して環境に悪影響を与えることから、国際自然保護連合(IUCN)種の保全委員会が作成した 世界の侵略的外来種ワースト100に指定されている。日本では、生態系被害防止外来種リストに掲載されている。
 ただし、一部でビオトープや水質浄化の目的での利用も行われている。


主写真撮影日:2018-08-15   撮影地:東京都調布市 神代植物公園内の花屋
撮影者:MOMO