ハウチワカエデ

学名:Acer japonicum  

ハウチワカエデ(羽団扇楓)[別名:メイゲツカエデ] ムクロジ科カエデ属

北海道・本州の山地の谷間や谷間に続く斜面に多く生育する落葉高木。(関東地方では標高900-1800m)

樹高は5-10m、幹径は20-30cmになる。樹皮は灰青色または灰褐色。成木では浅く縦に割れる。本年枝は紅紫色または赤褐色。無毛で光沢がある。葉は対生。葉身は7-12cmで、掌状に7-11浅裂または中裂する。基部は心形。裂片は狭卵形で先は鋭く尖り、縁には重鋸歯がある。葉質はやや厚い。若葉は両面に白色の軟毛があるが、成葉では裏面の主脈および脈腋に毛が残る。葉柄は葉身の1/2~1/4の長さで、白色の軟毛がある。雌雄同株。ひとつの花序に雄花と両性花が混生する。春、紅紫色の小さな花を複散房花序に10-15個付ける。花序は有毛。花弁と萼片は5個。雄蕊は8個で葯は黄色。
花期は4-5月。
果実は翼果。分果は長さ2-2.5cmで、ほぼ水平~鈍角に開き、普通軟毛がある。7-9月に熟す。

※ 名は、葉の形を鳥の羽で作った団扇に例えたもの。
 庭木・公園樹・盆栽などとして植栽される。
 材は建築材・器具材・彫刻材・船室内の装飾用の船舶材などで使用される。
 [近縁種] 
  オオイタヤメイゲツ:Acer shirasawanum
            福島県以南の本州・四国に分布。
            葉柄が無毛、長さが葉身と同等。


主写真撮影日:2018-08-15   撮影地:東京都調布市 神代植物公園植物多様性センター
撮影者:MOMO