ガガブタ

学名:Nymphoides indica  

ガガブタ(鏡蓋) ミツガシワ科アサザ属

本州・四国・九州の、湖沼や溜池などに生育する多年草。

茎は細くて長く、水底の泥の中に髭状の根をおろす。葉は水面に浮かび、長さ8-20cmの円心形で全縁。浮葉の少し下に芽や根が出る部位があり、ここから先だけが真の葉柄である。この部分から根や花芽、やがては葉も出ることで、この部分だけで独立した植物体となることが出来る。葉柄の基部から多数の花茎を伸ばし、先端に白色の花を付ける。花冠は径1.5cmほど、通常5深裂する。裂片は更に糸状に細く裂け、中心部は黄色。
花期は7-9月。
果実は蒴果で長さ4-5mmの楕円形、萼片に包まれる。種子は膨らんだ広楕円形で光沢があり、滑らか。

※ 名は、葉の形が鏡の蓋ににていることに由来すると言われている。
 長花柱花を持つ株と短花柱花を持つ株の2型があり、それぞれのタイプの株が混生しないと結実しない。
 夏から秋にかけて、葉柄の基部に根が変形肥厚して太短くなり、それがバナナの房状となった殖芽を形成する。
 [近縁種]
  ヒメシロアサザ:Nymphoides coreana
          葉の長さ2-6cm。花の径約8mm、花弁の縁だけに白毛がある。
  ハナガガブタ :Nymphoides aquatica
          アメリカ原産の外来種。葉の長さは5-15cm程で、花弁の基部付近に白毛がある。
          秋に葉柄基部に形成される殖芽がバナナ状であるため、バナナプラントとも呼称される。


主写真撮影日:2018-08-15   撮影地:東京都調布市 神代植物公園植物多様性センター (植栽)
撮影者:MOMO