ヒメコマツ

学名:Pinus parviflora  

ヒメコマツ(姫小松)[別名:ゴヨウマツ、マルミゴヨウ] マツ科マツ属

北海道南部・本州・四国・九州の、山地(尾根や岩上)に生育する常緑高木。

樹高は20m、幹径60cmほど、大きいものは高さ30m近くになる。高木の樹冠は円錐形。葉は密生しないため、全体に樹冠が薄く見える。風衝地などでは樹高が2-3mと低く、庭木風の樹形となる。樹皮は赤褐色~暗灰色。浅く割れ、薄く剥がれ落ちる。若い枝には黄褐色の毛があるが、ときに無毛。葉は5葉性。長さ4-8cm。横断面は3角形で、側面には白緑色の気孔帯がある。先端は尖るが触れても痛くない。雌雄同株。晩春から初夏に開花する。雄花は新枝の下部に多数付き、雌花は新枝の先端に2-3個付く。
花期は5-6月。
果実は球果で、長さ5-7cm、径3.5-4cmの卵形。種鱗は先端が丸い。翌年の10月頃に熟す。種子は長さ1cmほどの楕円形で、種子本体より短い翼がある。

※ ゴヨウマツの名は、葉が5個ずつ束生することから。
 庭木や盆栽として植栽される。
 材は均質で狂いが少なく、建具・欄間・仏壇の彫刻部分・木型などに使われる。

 [変種]
  キタゴヨウ:Pinus parviflora var. pentaphylla
        葉が6-10cmとやや長い。種子の翼は種子本体と同長または種子よりも長い。
        北海道・中部地方以北の亜高山帯の尾根や岩場に生育する。


主写真撮影日:2018-07-16   撮影地:神奈川県鎌倉市 大船フラワーセンター (植栽)
撮影者:MOMO