ツタ

学名:Parthenocissus tricuspidata  

ツタ(蔦)[別名:ナツヅタ、アマヅタ] ブドウ科ツタ属

北海道・本州・四国・九州の山野の林内や林縁に生育する蔓性落葉植物。

木性の蔓植物。節から先端が吸盤になった巻鬚を伸ばし、樹幹や岩壁をよじ登る。樹皮は黒褐色。本年枝は赤褐色~黄褐色で無毛。丸い皮目が多数ある。短枝が発達する。葉は2形あり、花の付く短枝の葉は大きく長い葉柄がある。葉身は長さ幅ともに5-15cmの広卵形で、上部は3裂し、裂片の先は鋭く尖り、縁には先端が芒になる疎らな鋸歯がある。基部は深い心形。質はやや厚く、ほぼ無毛。葉柄は長さ約15cm。花の付かない長枝の葉は小さく、葉柄も短い。切れ込みの無いものから2-3裂するもの、3小葉のものが混じる。初夏、短枝から長さ3-6cmの集散花序を出し、黄緑色の小さな花を多数付ける。花は径2-3mm。花弁と雄蕊は5個。
花期は6-7月。
果実は液果で径5-7mmの球形で、秋に藍黒色に熟す。表面には白い粉が付く。種子は長さ4-5mmの倒卵形。

※ 名は、他の植物や岩に「つたって」伸びる性質から。別名のナツヅタ(夏蔦)は、常緑のウコギ科のキヅタの別名のフユヅタ(冬蔦)に対する呼び名。またアマヅタ(甘蔦)は、平安時代に樹液を煮詰めて甘味料を作ったことから。
 3小葉の葉はウルシ科のツタウルシにそっくりなので注意を要する。
 植栽用途としては、建物の壁面や塀に這わせ、新緑や紅葉を楽しむのに使用される。


主写真撮影日:2018-07-10   撮影地:神奈川県相模原市南区
撮影者:MOMO