ベニバナ

学名:Carthamus tinctorius  

ベニバナ(紅花)[別名:スエツムハナ、サフラワー] キク科ベニバナ属

中近東原産で、6世紀末~7世紀初めに渡来し、染料・化粧料・薬用として栽培されてきた、1-2年草。

丈は40-130cm。茎は円筒形で硬く多数分枝する。葉は互生し、葉身は長さ7-15cm、幅2.5-6cmの長楕円形~広皮針形で、大小不同の鋸歯があり、先は鋭い剌となる。総包と上部の葉は成熟するに連れて棘状となる。総苞外片には鋭い剌がある。頭花の径は2.5-4cm、管状花のみで、先が深く5裂し、咲き始めは鮮黄色で、次第に紅黄色になる。
花期は5-7月。
果実は痩果。長さ7mm、帯白色で光沢があり、冠毛は鱗片状で脱落しやすい。

※ 明治時代以降、中国産の紅花が盛んに輸入され、次いで化学的に合成可能なアニリン染料が普及したことから、紅花生産は急速に衰退した。現在では紅花染めや観光用などにわずかに栽培されている。
 山形県の県花、千葉県長南町の町花に指定されている。
 
 [用途]
  染料用:花を摘んでから発酵・乾燥させたものが、紅色の染料や着色料(食品添加物、化粧品の口紅)の材料となる。
  生薬 :乾燥させた花は紅花(こうか)と呼ばれ、血行促進作用がある生薬として日本薬局方に収録されている。
  紅花油:紅花の種子を搾った油は紅花油(サフラワー油)と呼ばれ、サラダ油として用いたり、マーガリンの原料にする。


主写真撮影日:2014-06-15   撮影地:神奈川県箱根町 花店店頭
撮影者:MOMO