キャラボク

学名:Taxus cuspidata var. nana  

キャラボク(伽羅木) イチイ科イチイ属

本州の日本海側(秋田県の乳頭山から島根県の大山)の、亜高山~高山の風衝地に生育するイチイの変種の常緑低木。

樹高は1-3mになる。主幹がはっきりせず、地面を這うことが多い。葉は長さ1-2cmの線形で、不規則に螺旋状に枝に付き、イチイのように2列に並ばない。表面は濃緑色、裏面は淡緑色。主脈が目立つ。先端は尖るが握っても痛くはない。雌雄別株。雄花は淡黄色。雌花には緑色の鱗片に包まれた胚珠が1個ある。
花期は3-5月。
種子は、径3-4mmの球形で、花の後に肥大して杯状になった仮種皮に包まれる。秋に種子が熟す頃、仮種皮は紅色になる。

※ 名は、材の香りがジンチョウゲ科の常緑高木ジンコウ(沈香)から採取する香料のキャラ(伽羅)に似ていることから。
 種子の赤い仮種皮は甘く食べられるが、種子は有毒。
 刈り込みに強いので、特に寒冷地では庭木や生垣に多く植栽される。
 園芸品種のオウゴンキャラボクは新葉が黄色になり美しい。


主写真撮影日:2018-06-08   撮影地:神奈川県川崎市多摩区 川崎市緑化センター
撮影者:MOMO