ボダイジュ

学名:Tilia miqueliana  

ボダイジュ(菩提樹) アオイ科シナノキ属

中国原産で、寺院などによく植栽される落葉高木。

樹高は8-10m。樹皮は暗灰色~帯紫暗灰色で縦に割れる。本年枝には灰白色の星状毛が密生する。楕円形の皮目が多い。葉は互生。葉身は長さ5-10cm、幅4-8cmの三角状楕円形。先は鋭く尖り、基部は歪んだ切形または浅い心形。縁には鋭い鋸歯がある。裏面は灰白色で、星状毛が密生する。葉柄は長さ2-4cmで星状毛が密生する。花は、初夏、葉腋から長さ8-10cmの集散花序を出し、淡黄色の花を10-20個付ける。雄蕊は花弁より短い。総苞葉は長さ5-8cm、裏面には星状毛がある。
花期は6月。
果実は堅果。径7-8mmの球形で、短い星状毛が密生する。

※ 釈迦が樹の下で悟りを開いたとされる樹木は、本種ではなくクワ科のインドボダイジュ。中国では熱帯産のインドボタイジュの生育には適さないため、葉の形が似ているシナノキ科の本種を菩提樹としたと言われる。
 またフランツ・シューベルトの歌曲集『冬の旅』第5曲「菩提樹("Der Lindenbaum")」に歌われる菩提樹は本種ではなく近縁のセイヨウシナノキ。


主写真撮影日:2018-06-08   撮影地:神奈川県川崎市多摩区 川崎市緑化センター
撮影者:MOMO