タムシバ

学名:Magnolia salicifolia  

タムシバ(田虫葉)[別名:カムシバ、ニオイコブシ] モクレン科モクレン属

本州・四国・九州の山地に生育する落葉高木。

樹高は10mほどになる。樹皮は灰色~灰褐色で平滑。縦に皮目が並ぶ。本年枝は緑褐色で無毛。葉は互生。葉身は長さ6-12cm、幅2-5cmの披針形または卵状披針形で、全縁。先端は尖り、基部は楔形。質は薄い。裏面は微細な毛があり、白色を帯びる。葉柄は長さ1-1.5cm。葉を揉むと強い香りがし、噛むと甘い。葉が展開する前に、径10cmほどの芳香のある白い花が咲く。外側の花被片は小さく萼状、内側の6個は花弁状。雄蕊と雌蕊は多数あり、螺旋状に花床に付く。
花期は4-5月。
果実は袋果が集まった集合果。長さ7-8cmのこぶし状の長楕円形。10月頃に熟すと背面が割れ、糸状の珠柄の先に赤い種子がぶら下がる。種皮の外層は赤色、中層は肉質、内装は黒くて硬い。

※ 名は、カムシバが転じてタムシバとなったと推定され、カムシバは葉を噛むとキシリトールのような甘味がすることから。
 [近縁種]
  コブシ:タムシバは花の下に葉が無いが、コブシでは新葉が1枚付く。
      葉はコブシよりタムシバが薄く、裏面の白味が強い。


主写真撮影日:2010-05-22   撮影地:群馬県沼田市 玉原高原
撮影者:MOMO