イヌマキ

学名:Podocarpus macrophyllus  

イヌマキ(犬槇、犬槙)[別名:クサマキ、マキ] マキ科イヌマキ属

関東地方以西の本州・四国・九州・沖縄の、海岸に近い山地に生育する常緑高木。非常に耐陰性が高い。

樹高は20mに達する。樹皮は灰褐色。浅く裂けて剥がれ落ちる。葉は互生。長さ10-15cm、幅5-10mmの広線形。表面は深緑色、裏面は淡緑色。縁は全縁で主脈が目立つ。雌雄別株。雄花も雌花も葉腋に付く。雄花は長さ約3cmの円柱形。雌花は長さ1cmほどの花床の上に付く。
花期は5-6月。
種子は径1cmほどのやや歪な球形で、基部には肉質の果床が付く。10-12月に熟すと、果床は赤紫色になる。果床は食用になる。種子は枝に付いたまま、発芽することもある。

※ 名は、上品なイメージのコウヤマキを「ホンマキ」と呼ぶのに対して、葉や姿形が劣ることから「イヌマキ」と呼ばれるという説、まっすぐに伸びるスギを「真木(マキ)」と呼んでいた時期に、それと区別するため犬マキと呼んだという説もある。
 庭木や海岸沿いの畑や集落では防風用の生垣として用いられる。
 材は耐朽性があり、シロアリに強いため、建築材としても使用される。


主写真撮影日:2018-02-18   撮影地:神奈川県小田原市
撮影者:MOMO