サトウヤシ

学名:Arenga pinnata  

サトウヤシ(砂糖椰子)[別名:シュガーパーム] ヤシ科クロツグ属

インド・インドネシア・マレーシア・ミャンマー・フィリピン・タイなどの地域原産で、かつて樹液から砂糖を採るために栽培もされた常緑高木。

樹高は15-20m、幹径は30-50cmになる。幹は黒い繊維と棘で覆われる。葉は羽状全裂で、長さは6-12m、葉軸は斜め上に直伸する。羽片は細長く,先端は切頭歯状で裏面は灰白色。雌雄同株で異花。花序は、通常、葉腋から生じ、2m以上の長さの、花房状になる。雌花序の花軸は3-7個、上部に形成される。雄花序の花軸は7-15個で、後に茎の下部に現れる。基部に管状の3個の萼片と3個の花冠を持つ花。雄花序の花は、花序ごとに11,500個まで、多くの雄蕊があり、閉花前は青緑色に、開いたときは黄色になる。雌花序は花序ごとに15,000個の花を付ける。
花期は周年。
果実は核果で、長さ5-8cmの楕円形。初めは緑色で、後で黄色~黒色に変わって地に落ちる。
花序が付くまで普通10-12年(条件が良いと5-6年)かかる。また花序は2年ほど開花し、幹の上部から下部に向かって順次作られ、最下部の花序の果実が熟すと全体が枯れる。

※ 名は、砂糖を収穫できるヤシであることから。
 ヤシ砂糖を作るには、開花前の主として雄花序を傷つけて採取する。採取した樹液は、すぐに加熱し煮詰めて固形化して精製工場に出荷する。樹液のまま放置するとヤシ酒となり、蒸留酒にする。
 サトウヤシの胚乳は、通常シロップ漬けにして食用にする。
 樹皮の黒い繊維は箒や水浄化のフィルターとして利用される。


主写真撮影日:2017-11-26   撮影地:東京都江東区 夢の島熱帯植物館温室
撮影者:MOMO