パンノキ

学名:Artocarpus altilis  

パンノキ(パンの木) クワ科パンノキ属

ポリネシア原産で、太平洋諸島で重要な食用作物として古くから栽培されていた常緑高木。

樹高は10-25m、幹径60cmに達する。葉は互生し、3-10片からなる深い欠刻を持ち、卵形から長楕円形で、長さ40-50cm、革質で表面は光沢がある。雌雄異花で同株。雄花は新枝の葉腋から出る長い花托上に密に並び、長さ約20cm、長倒卵形または棍棒状の花穂を形成し、花穂は白黄色を帯びる。雌花は新枝の頂部に近い葉腋に群がって付き、長楕円形または球形の花穂を形成する。
花期は周年。沖縄県では7-8月。
集合果は枝先に2-3個ずつ付き、楕円または球形で、長さ10-30cm、表面に多角形の亀甲状の突起がある。種子は黒褐色で、径2.5cm、種子の周囲を包む果肉は繊維に富む。成熟時には偽果皮は橙紅色となり、デンプン質を含み甘い。種子のあるものと無い品種があり、種子のあるものはタネパンノキ(Bread-nut tree)と呼ばれ、種子のない品種をタネナシパンノキ(Breadfruits tree)と区別して呼ばれることもある。種なしの種類は果肉が詰まっており、焼いて食用とするが、種ありの種類には果肉はほとんど無く、その種子を食用とする。

※ 名は、英名の"Bread fruit"の訳。
 果実の果肉は白色で、蒸し焼きや丸焼き、あるいは薄切りにして焼いて食べられる。 また火で乾かしてビスケット状にし、貯蔵する。
 日本では幼木を観葉植物として利用する。耐寒温度は5℃程度。 


主写真撮影日:2017-11-26   撮影地:東京都江東区 夢の島熱帯植物館温室
撮影者:MOMO