タコノキ

学名:Pandanus boninensis  

タコノキ(蛸の木、露兜樹)[別名:オガサワラタコノキ] タコノキ科タコノキ属

小笠原諸島原産で、日照の良い乾燥した丘陵地の海岸線から山頂付近まで広範な範囲に分布する常緑高木。

樹高は5-10m。幹の途中から多数の気根を伸ばし、幹を支える。太い気根がタコの脚のように見える。葉は細い剣状で、大きく鋭い鋸歯を持つ。長さ1mほどに達し、幹の先端かららせん状に多数出る。雌雄異株。初夏に開花し、雄株は黄白色で径3-4cm、長さ30cm程の穂状花序、雌株は淡緑色の雌花を付ける。
花期は6-7月。
雌株には、夏に数十個の果実が固まったパイナップル状で長さ約20cmの集合果が付き、翌年の10月頃、黄色~橙色に熟す。

※ 名は、気根が支柱のように幹を取り巻きタコのように見えることから。
 学名の種名部分、boninensisは、小笠原諸島(英名 Bonin Islands)に由来。
 果実は、茹でて食用としたり、食用油を採取する原料とする。
 八丈島等に移出されて定着している他、葉の美しさから観葉植物として種苗が流通する。
 耐寒温度は、10℃以上(理想は15℃以上)が必要。
 [近縁種]
  アダン        :Pandanus tectorius
              沖縄などに自生。高さ3-6m、葉は緑色で、葉縁と主脈の裏側に刺がある。
  ビヨウタコノキ    :Pandanus utilis
              マダガスカル島原産。高さ20mになる。葉は青緑色で、葉縁と主脈の裏側に赤い刺がある。
  トゲナシフイリタコノキ:Pandanus sanderi
              インドネシアからソロモン諸島原産。高さ1-2m。
              葉の中央部に黄色の縞模様が入る。キジマタコノキの名もある。


主写真撮影日:2017-11-26   撮影地:東京都江東区 夢の島熱帯植物館温室
撮影者:MOMO