カカオ

学名:Theobroma cacao  

カカオ(Cacao)[別名:カカオノキ] アオイ科カカオ属

中央アメリカから南アメリカの熱帯地域の標高約300メートル程度の丘陵地の原産で、チョコレートやココアの原料となるカカオ豆採種のために熱帯地域で果樹として栽培される常緑小高木。

樹高は4.5-10m。多くの枝を水平に近く張る。葉は互生し、長さ20-30cm、幅7-10cmの長楕円形で、短い葉柄がある。花は、幹および太い枝に直接房状に多数つき、径約1.5cm、萼は桃色、花弁は黄色、5弁からなり基部は帽子状に広がっている。雄蕊は10個で、うち5個は退化している。年間を通じて開花するが、結実するものは200-300花に1個と少ない。
花期は周年。
果実は、長長さ15-20cm、径7cmの紡錘形の蒴果で、表面に縦溝と瘤があり、初め緑白色で、約6か月で熟し、赤・黄・橙・紫などに熟す。内部は5室に分かれ、白い粘状物で覆われた種子(カカオ豆)が20-30個ある。

※ カカオの名は、自生地原住民のミヘ・ソケ語族の語彙で、もとは「カカワ」と発音されていたとされる。属名のTheobroma はギリシャ語で「神(theos)の食べ物(broma)」を意味する。
 カカオ豆は、種子を水につけて発酵させてから干すと赤みを帯び、特有の芳香が出る。カカオ豆を培煎し、砕いて殻を除き、擦り潰してカカオペーストにする。これを圧搾するとカカオバターがとれ、搾り滓がココアになる。カカオペーストにカカオバター・砂糖・デンプン・香料などを加えて練り上げるとスイートチョコレートができる。
 カカオバターはまた化粧品、香料、医薬品の原料にも用いる。
 栽培は、気温28℃以上、年降水量2500ミリメートル程度の高温多湿な気候で、肥沃な傾斜地を好み、赤道を挟んで南・北緯20度内の特定の地域に限定される。


主写真撮影日:2017-11-26   撮影地:東京都江東区 夢の島熱帯植物館温室
撮影者:MOMO