アフリカスミレ

学名:Saintpaulia ionatha  

アフリカスミレ(アフリカ菫)[別名:セントポーリア] イワタバコ科アフリカスミレ属

アフリカ東部タンザニアの原産で、日陰・多湿の環境を好み、渓谷沿いの断崖の湿った岩壁や、熱帯雨林の苔むした樹木に着生する。観賞用に栽培される常緑多年草。イオナンタ種は、多くのロゼット型園芸品種の交配親となっている。

丈は7-20cm。葉・茎ともに多肉。葉には長い柄があり、根本からロゼット状に広がる。葉身は楕円形または卵形で、縁は全縁または鋸歯が入ることもある。葉身には葉毛が目立つ。花は左右相称の合弁花で、2裂した上唇と3裂した下唇から成る。裂片は下唇の方が大きい。花弁は紫色または薄紫色で、花筒は短く、舷部はほぼ直角に広がる。黄色の葯をもつ2本の雄蕊が筒部から突出している。花柱と柱頭は、花弁と同じ紫色。花梗は葉腋から伸び、集散花序になる。イオナンタ種の原種の花色は、紫または白。
花期は9-6月。
果実は蒴果。

※ 名は、英名の“African violet”の直訳で、アフリカの原産でスミレに似た花を咲かせることから。
 学名のセントポーリアは、発見者であるドイツ人ヴァルター・フォン・セントポール=イレール(Walter von Saint Paul-Illaire)に献名されたもの。
 アフリカスミレ属は、生長形態により、ロゼット型とトレイル型の2型がある。ロゼット型は節間が極めて短く、葉がタンポポのように放射状に広がる。トレイル型は節間が長く、地面を這うようにして長い茎が形成される。
 直射日光の当たらない室内の窓辺程度の明るさでも育てられる貴重な鉢花となっている。
 栽培には温度18-24℃、湿度70%、光量約1万ルクスの温暖な環境が適し、5℃以下の低温や直射日光のような強光に長時間当てると枯死する。 


主写真撮影日:2017-11-26   撮影地:東京都江東区 夢の島熱帯植物館温室
撮影者:MOMO