ホソバリュウビンタイ

学名:Angiopteris palmiformis  

細葉竜髭帯(細葉竜髭帯)[別名:ナンヨウリュウビンタイ] リュウビンタイ科リュウビンタイ属

鹿児島県(奄美諸島)・沖縄県・小笠原諸島の、山地の谷沿いなど森林中の多湿な場所に生育する常緑羊歯植物。

丈は300-500cm。根茎は塊状で直立し、葉の落ちた托葉が周りに多数付き、古いものでは径30cmを超える。葉は数個叢生し、葉身は2回羽状複生、楕円形~広楕円形、長さ1.3-3m、幅1-1.5m。羽片は7-15対、狭長楕円形で50-110cm、幅15-25cm。小羽片は21-32対、披針形で長さ7.5--11cm、幅1.3-2.1cm。先は鋭尖頭、辺縁は波状縁~鈍鋸歯縁、小羽片の間の下行偽脈は辺縁と中肋の中間よりも中肋寄りまで伸びる。葉柄は葉身と同長かやや短く、多肉質で太く、緑色で平滑、表面に短い白色の線形の模様がある。胞子嚢群は小羽片の辺縁の内側1-2mm、側脈の両側に2列に並び、楕円形で長さ0.9-1.6mm、幅0.6-0.7mm。

※ 名は、細葉のリュウビンタイの意。龍鱗は株の托葉の重なり合う形状を龍の鱗になぞらえたものと言われる。
 リュウビンタイとよく似るが、小羽片の葉脈の間にある偽脈が中軸近くまで伸びる特徴がある。
 学名はYListでは、Angiopteris evectaとし、Angiopteris palmiformisはシノニムとしているが、The Plant Listでは、両者とも有効名(別種)。また小笠原諸島のホソバリュウビンタイは、オガサワラリュウビンタイ( Angiopteris boninensis)として区別する説もある。The Plant Listでの、Angiopteris boninensisは未評価(2017年12月現在)となっている。


主写真撮影日:2017-11-26   撮影地:東京都江東区 夢の島熱帯植物館温室
撮影者:MOMO