ホウライショウ

学名:Monstera deliciosa  

ホウライショウ(蓬莱蕉)[別名:モンステラ] サトイモ科ホウライショウ属

熱帯アメリカ原産で、観賞用に栽培される常緑蔓性多年草。

蔓性で他物に絡んで伸び上がる。大きくなると、高さ7-8mあるいはそれ以上にもなる。茎は太く、断面は丸く、径5-6cmほど。節ごとに長い気根を出す。これは他のものに付着し、それを支えに植物体はよじ登るが、その先端が地面に触れれば、通常の根として地中へ伸びる。葉はよく育つと長さ90-100cm、幅80-90cmに達し、心臓形卵形となり、厚い角質で暗緑色。葉柄は長さ50-80cm。葉の形は成長によって変化する。幼いものでは丸い葉で切れ込み等もない、滑らかな縁をしているが、次第に側脈の間に円形から長楕円形の穴が出来るようになり、それが次第に連結し、穴の縁が葉縁に達すると全体に深く羽状に裂けたように見える。また葉柄の基部は半分ほどが葉鞘を形成する。花は肉穂花序で、仏炎苞に包まれる。仏炎苞は始め緑色だが開花時には黄白色になり、楕円形で長さ30cm、革質で厚く、開花時にはボート状に開く。花序は長さ20-25cm、太さ3-5cm、淡黄色、果時には仏炎苞が脱落する。
花期は通年。
果実は、肉穂花序の表面に実が並んで一見トウモロコシ状、初めは緑色だが熟すに連れて黄色くなる。熟した果実はパイナップルとバナナを混ぜたような香りがあり、触れると個々の果実の皮がバラバラと落ちる。熟した果実は柔らかく多肉質、これを食べると多少のえぐ味はあるものの美味と言われる。開花から果実の成熟までには1年を要する。

※ 和名は、パイナップルを表す「鳳梨」や「黄莱」、そしてバナナを表す「蕉」を合わせた言葉で、果実がパイナップルとバナナを合わせたような味であることに由来するとのこと。(近藤純夫氏著「ハワイアン・ガーデン 楽園ハワイの植物図鑑」)
 別名のモンステラは属名で、この種を特定するものではないが、流通市場では一般的。
 鉢植えでは、普通開花はせず、観葉植物として扱われる。


主写真撮影日:2017-11-26   撮影地:東京都江東区 夢の島熱帯植物館温室
撮影者:MOMO