ヒトツバ

学名:Pyrrosia lingua  

ヒトツバ(一つ葉) ウラボシ科ヒトツバ属

関東地方以西の本州・四国・九州・沖縄の、低地~山地の乾いた岩上、樹上などに着生する常緑性シダ植物。

根茎は針金状で太く、横走し、茶褐色~赤褐色の鱗片を密生し、疎らに葉を出す。葉は単葉で、長さ15-40cm、幅2-6cm、葉柄は葉身と同長または長い。葉身は厚く硬い革質で、広披針形~卵状披針形、鋭頭、全縁ときに波状縁、基部は楔形。表面は深緑色、若い葉では基部近くに早落性で淡褐色の星状毛があり、裏面には宿存する褐色~白色の星状毛を密布する。中脈は裏面に隆起し、支脈は羽状に斜めに分岐し、平行して葉の縁に達し、その間には網状脈がある。葉には栄養葉と胞子葉の2型があり、胞子葉は著しく細くなる。胞子嚢群(ソーラス)は点状で裏面に混みあって付き、全面を被う。

※ 名は、シダ植物の多くが羽状複葉になる中で、複葉にならないことに由来する。


主写真撮影日:2017-11-26   撮影地:東京都江東区 夢の島熱帯植物館温室
撮影者:MOMO