マルハチ

学名:Cyathea mertensiana  

マルハチ(丸八) ヘゴ科ヘゴ属

小笠原諸島の開けた斜面に群生する常緑木性シダ。

丈は5-8m。幹は基部では径25cmになり、稀に分岐する。表面に葉柄の落ちた跡が、丸に逆八の字状の模様となって残る。枯れた葉柄が脱落していない幹は銀白色に見える。葉は2回羽状複葉で、大きいものは長さ2mを超える。葉身は倒卵状楕円形、2回羽状深裂し、大きいものは長さ130cm、幅70cm。羽片は長さ30-60cm、幅15-25cm。裂片は鎌状になり、鈍頭~円頭、辺縁は波状。葉の裏面(背軸側)の軸上には袋状の鱗片があり、淡茶色、毛はない。葉柄は緑色で、長さ30-70cm、太くて基部は少し膨れ、幹との間に離層を作る。葉柄の側面には長さ4-9mmの線状で白い斑点が目立つ。胞子嚢群は遊離脈の分岐点に付き、円く突出し、包膜はない。

※ 名は、茎の表面にある葉柄の落ちたあとが丸に逆八の字状の模様になることから。
 葉柄下部の鱗片の色や形、刺の様子などはヒカゲヘゴに似るが、葉裏の裂片の中肋上には卵形で窪んだ鱗片があり、ヒカゲヘゴにあるような毛はない。
 鉢物としても流通する。


主写真撮影日:2017-11-26   撮影地:東京都江東区 夢の島熱帯植物館温室
撮影者:MOMO