パラゴムノキ

学名:Hevea brasilienses  

パラゴムノキ(パラゴムの木) トウダイグサ科パラゴムノキ属

ブラジルのアマゾン川流域が原産で、天然ゴムの生産のために東南アジアの熱帯地域を中心にプランテーションでの大規模栽培が行われている常緑高木。

樹高は20-30m、幹径60cmに達する。葉は細長い葉柄を持つ3小葉からなる複葉。小葉は長楕円形から楕円状披針形で、先端は尖り、長さ10-30cm、幅5-12cm。長さ25cmほどの円錐花序を腋生し、下部に雄花、上部に雌花を付ける。両花ともに小さく、花弁を欠き、萼の色は黄白色~黄色または緑色。
花期は未確認。
果実は1花序に普通は1個実る蒴果で、3室にくびれ、熟すと裂開する。種子は各室に1個ずつ含まれ、長楕円形で斑紋があり、長さ2.5-3cm。

※ 名の、パラは原産地のブラジルの州名に依る。
 苗を植え付けてからラテックスを採るまでには5-7年を要し、以後の20-30年間は経済的にラテックスを採ることができる。ラテックスは木の幹を傷つけて得る乳液から生産する。幹の節部には乳管があり、先の曲がった小刀を使って、形成層を傷つけない程度に、毎朝または1日置きに傷をつけ、流れ落ちる白い乳液を容器に集め、工場に運ぶ。
 熱帯地方にはゴム質を含む植物は多いが、品質、含有量の点で本種に勝るものはない。
 40年を過ぎると、ラテックスの生産量は激減するため、伐採して植え替える。伐採した木の材は、過去は細かく砕いてMDFやパーティクルボードの原料として使われていたが、近年は寸断しておいてから乾燥後に集成材にも加工される。パラゴムノキの集成材は、木材としてはやや固めで塗装性や着色性が良好なため、家具やフローリングなどの材料として広く利用されるようになった。


主写真撮影日:2017-11-26   撮影地:東京都江東区 夢の島熱帯植物館温室
撮影者:MOMO