カミガヤツリ

学名:Cyperus papyrus  

カミガヤツリ(紙蚊帳吊)[別名:パピルス、パピルスソウ] カヤツリグサ科カヤツリグサ属

中央アフリカのナイル源流付近の原産で、古代エジプトで書写材料とされたことで有名。日本では植物園温室や鉢植えで観賞用に栽培される多年草。

丈は150-500cm。太い根茎が地際を這うように伸び、そこから何本も花茎を叢生する。茎の断面は三角形で、最大6cmほどの太さになる。葉は花茎の根元にあるが、退化し薄茶色の鞘状になり目立たない。茎頂からはたくさんの花序枝を放射状に伸ばし、茶褐色の小穂を付ける。花序の苞は糸状で、放射状に束生し、花火のような球形になる。花は小穂の鱗片の内側にあり、雄蕊は3個、雌蕊の柱頭は3裂する。
花期は7-8月。
果実は黒色の小硬果で1mm足らず。

※ 名は、古代エジプトで、この植物で紙を作ったことによる。但し、パピルス紙は一度分散した繊維を絡み合わせ膠着させてシート状に成形したものではないため、正確には紙ではない。
 かつてナイル川下流域に繁茂していたが、現在は自生は見られず、アフリカ奥地の湖や河畔の浅い緩やかな流れの中に自生している。イタリアのシチリア島、シリア地方(シリア・アラブ共和国・レバノン・ヨルダン・パレスチナ・イスラエルを含む地域)のそれぞれ一部地域にも自生している。
 矮性品種が、観葉植物として扱われる。
 寒さには若干弱い(冬は5℃以上)。


主写真撮影日:2017-11-26   撮影地:東京都江東区 夢の島熱帯植物館温室
撮影者:MOMO